シリコンバレー101 (460) 9歳のゲームセンター経営者に学ぶ、スタートアップ成功術
今週は、いま米国で話題の起業家……といっても、Facebookによる買収に合意したInstagramの創業者のケヴィン?シストロムとマイク?クリーガーではない。
段ボール箱で作ったゲームセンター「Caine's Arcade (ケインのゲームセンター)」を運営する9歳の男の子ケイン?モンロイ (Caine Monroy)くんの話だ。
まずはVimeoやYouTube、Facebookなどで公開されている動画「Caine's Arcade」を観て欲しい。
ケインは昨年の夏休みを、イーストロサンゼルスにある父親の自動車パーツのショップで過ごした。
ショップといっても、オークションサイトeBayからの注文が多く、半ば倉庫のようである。
そこでケインは自動車パーツが入っていた段ボール箱を使って、まずバスケットボールのゲーム台を作り、景品を用意し、店構えを整え、さらに違う種類のゲームも増やしていった。
ゲームの料金は1ドルで4回。
しかし、2ドルのファン?パスを購入すると1カ月で500回遊べる。
しばらくCaine's Arcadeで遊ぶ人は現れなかったが、ある日パーツショップにハンドルを受け取りに来た男性がCaine's Arcadeに気づいてファン?パスを購入した。
秘書からその話を聞いても信じられなかったケインの父親がセキュリティカメラを確認すると、たしかにファンパスを使って遊んでいる。
その男性がCaine's Arcadeを撮った映像作家のニルバン?ムリックだ。
Caine's Arcadeのユニークさに感動したムリックは、後日あらためてケインの父親にCaine's Arcadeの短編ドキュメンタリーを作りたいと申し出た。
父親は承諾したものの、イーストロサンゼルスは安全な地域ではない。
ケインのゲームセンターが客を集めるのは難しいから、面白い作品にはならないと思った。
ところが、ムリックがCaine's ArcadeのFacebookページを用意し、Facebookイベントを告知すると、じわじわとCaine's Arcadeの話題がネットを広がっていった。
hidden los angelesで紹介されて一気に加速が付き、ついにテレビで取り上げられ、そしてイベント当日Caine's Arcadeには……という内容だ。
ムリックに短編ドキュメンタリーを作らせ、たくさんの人がイベントに集まり、YouTubeでCaine's Arcadeが200万回以上も再生されているのは、ケインの想像力と行動力、小さなビジネスマンぶりに誰もが驚かされるからだ。…