メジャー通算119勝の右腕は救世主となり得るのか…。前デトロイトタイガースの先発ローテーション投手、ブラッド?ペニー(33)がチームに合流したのは2月9日。翌10日のブルペン投球を見た他球団スコアラーたちは、「コントロールが良い。球質も重そう」と“警戒”を強めていた。
このペニーの投球は『室内練習』でしか見られなかったが、心地好いミット音を響かせていた。先発枠に入ってくるのは間違いない。
ペニーの印象を伝えると、『直球の重量感』よりも、『カーブ系の変化球』の方が脅威に思えた。曲がり具合、軌道は普通だが、『ボールの回転』が早い。一般論として、カーブはホームベース付近で失速する。そのため、日本の球界では「カーブ=緩急でタイミングを外す変化球」と捉えられているが、ペニーの投げるカーブ系の変化球は違う。強いスピンが掛かっているというか、『力勝負をするための変化球』のように見えた。しかも、低めにコントロールされているのだから、対戦打者は苦労させられるだろう。
念のため、米メディア陣の1人にこのペニーの評価を確認してみた。
「スプリット、スライダーも投げますよ。昨季は防御率が5点台まで落ち込み、残念ながら、メジャーでは『もう、先発としては通用しない』と見下されていました。彼は1月下旬までメジャー球団との契約を目指していましたが、お声が掛からず、日本に新天地を求めました」
30歳を過ぎ、メジャー球団と契約できない先発タイプの投手は少なくないという。ただ、制球力、クイックモーションなど日本球界で通用するには“それなりの要素”を必要とする。体格的に見て、クイックモーションは期待しない方が良さそうだが、ソフトバンクの渉外担当者は数多い“売れ残り投手”のなかから、「日本向きの投手を見つけて来た」と評価してもいいのではないだろうか。
3年目の左腕?川原弘之の成長が著しいという。工藤公康氏(解説者)がTVのニュース番組でイチ押ししていたため、各マスコミが「どんなピッチャーなんだ!?」と好奇の目を向けていた。確かにストレートは速い。秋山幸二監督も「チャンスはある」と各メディアにコメントしていたが、ブルペンではコーチに投球フォームを修正される場面も多く、「一軍枠に生き残れるかどうか」というのが、正直な評価だと思われる。
そんなブルペンでオーラを放っていたのは、FA加入の帆足和幸とドラフト5位?嘉弥真新也(かやま?しんや)の両左腕だ。…