名古屋市に住む全盲の鍼灸(しんきゅう)師梅尾朱美さん(62)が、障害程度区分を軽度と認定した市を相手に、認定の取り消しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(福井章代裁判長)は7日、請求を棄却した。梅尾さんは点字の訴状を提出しており、地裁は判決要旨の点訳書面を提供した。後日、全文を郵送する。最高裁によると、判決文の点字化は極めて珍しいという。
福井裁判長は判決理由で「(市の審査は)法令などの基準と合致しており、認定に不合理な点は認められない」と述べた。
判決後、梅尾さんは「判決文の点訳は画期的で、裁判所にはできるだけの対応をしてもらえたと思うが、判決には心の底から怒りを感じる」と涙ながらに話した。
判決によると、名古屋市は2009年、「前年までの福祉サービスの利用量が少なかった」として、06年に重度の「4」としていた梅尾さんの障害程度区分を最も軽い「1」に引き下げた。
梅尾さんは「心身の状況は変わっておらず、必要な福祉サービスを受けられない恐れがある」と反発。「視覚障害者に対する裁判所の配慮に期待したい」と考え、あえて代理人弁護士を付けずに自ら点字で訴状を作成し、10年4月に提訴していた。