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危険な情事の代償は生命!? 心疾患治療後はご注意を 心血管疾患とラブ?アフェア

一度でも心臓発作を起こすと、誰もが日常生活に不安を覚えるだろう。自然に心拍数を上げる運動や労作を避けるようになる。いわんやセックスをや。性生活の欠如は心血管疾患がもたらす深刻な「後遺症」で、適応障害やうつ病の引き金になることも珍しくはない。心ある主治医なら過度に臆病にならないよう助言してくれるだろう。

 つい先月末には循環器分野における世界最高峰の学会「米国心臓協会(AHA)」が心血管疾患とセックスに関するステートメントを発表した。それによると心筋梗塞や胸痛発作を起こしたとしても、治療後に「医師によるフィジカルチェックを受け、3~5METsに耐えられるなら、性生活を安全に再開」できる。

 METsは運動強度を表す国際単位。3METsは普通の速度でのウオーキング、5METsは軽いエアロビクスレベルの強度と考えてよい。要は、中等度の運動ができれば安心して恋人に寄り添えるわけ。ただし、である。

 この基準が当てはまるのは「配偶者」もしくは長年の安定した関係限定。同時に記載された「性交死(腹上死)」の発生率は0.6~1.7%、その8~9割以上が男性で、しかも75%が「不貞行為」の後だった。また、大部分は「本人よりはるかに若い愛人が相手で、過度な食事と飲酒後の行為」という事実が示されている。

 この記載の根拠となった研究の一つは日本人の性交死の実態調査で、5559例の検死例を検証した元東京都監察医務院院長で法医学者の上野正彦氏の手によるもの。上野氏は、心血管疾患の既往や潜在リスクを持つ男性が、非日常的な環境(飲酒、ホテル、愛人、年齢差)で精神的興奮が高まっているところに、セックスという興奮と消耗が一気に負荷されるため、突然死リスクが増大すると分析している。ちなみに性交死は春先に増える傾向があるので、ご注意を。

 さて、もしあなたに心血管疾患の既往があり、それでもなお「危険な情事」を続けたいなら、フィジカルチェックの際にエルゴメーターの負荷を上げて、どこまで耐えられるか試してもらうこと。主治医は不審に思うかもしれないが。どうやら古今東西、不貞は高くつくらしい。

(取材?構成/医学ライター?井手ゆきえ)

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