【コブスくんの使えそうな仕事術】良書を「自分のもの」にする3つの方法
多くの人の心に響いた本は、「良書」といえますよね。ピーター?ドラッカーの著書などは、いまやビジネスのバイブルといえるほど。しかし、読後はわかったつもりでも、三日後には忘却のかなた……という方も少なくないはず。せっかく読んだ良書を「自分のもの」にするためには、どうすればいいのでしょうか。経営コンサルタントであり、ビジネスリーダーとして多くのワークショップを開催している木内一朗さんに、「正しい読書術」を教わりました。
■「記憶」するのではなく、自分の言葉に「昇華」させる
──どんなに感銘を受けた本でも、時間がたつと、内容をほとんど忘れてしまいます。
「本に限った話ではありません。初対面の人と話しはじめてすぐに名前を忘れ、名刺をチラ見……なんて、よくあるでしょ(笑)。人間なんて、すぐ忘れる生き物なんです」(木内さん)
──では、本の内容をしっかり記憶するにはどうすればいいのでしょうか。
「まず、『記憶する』より、自分の言葉に『昇華させる』ことが大事だと僕は考えます。この場合の昇華とは、『つまりこういうことだ』と自分の言葉に置き換えられる状態になること。それができないということは、自分の身になっていないということです」
■良書を「自分のもの」にする3つの法則
「先ほど、人間はすぐ忘れる生き物だと言いました。では、忘れないようにするためにはどうしたらいいと思いますか?」
──メモをとる、ですか?
「その通り。僕がお勧めする読書法は、とても簡単です。
(1)心を動かされた言葉や文章の要約を書いておく
(2)(1)を思い出す場面に出会ったら読み返し、感じたことを書き留めておく
(3)機会があるごとに読み返し、できればそれを別のノートに整理する
この3点です」
──そんな時間や労力はなかなか……。
「皆さん、そうおっしゃいます。でも、書くことが大事なんです。書くということは、記録として残すだけでなく、脳を刺激して思考を活性化させるために必要な行為なんです」
──でも私、メモをとることが苦手です。それでもできますか?
「きちょうめんな人は『きれいに書かなきゃ』と思われるでしょうが、誰かに見せるものではないので、適当でOKです。むしろ、キチンと書こうと思うと面倒になって続きませんから、デッサンのようにササッと書くよう心がけてください」
──それなら、できそうですね。ほかにポイントはありますか?
「ただ書き連ねるだけでなく、関連性のある言葉を矢印でつなぐなど、図式化すると後で振り返りやすいですね。…
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