Cisco、Android タブレット「Cius」への取り組みを中止
2010年6月、米国 Cisco は Android OS を搭載した「Cius」によるタブレット端末市場への参入を表明した。Cisco は Cius の公表時には、同製品がビジネスの進め方を変革するものであると謳っていた。
それから1年後の2011年6月、Cisco はやっと同社による企業向けのアプリストアやソフトウェアサポートについての計画を公表し、Cius への取り組みはほんの少しだけ進展を見せた。
それからまた1年がたった今年、すべては終わった。
Cisco は Cius への取り組みを中止することを公表した。同社の公式 Blog には、次のようにある。
「Cisco は今後 Cisco Cius タブレット端末への投資を行わない。現在入手可能な Cius に対して、アップデートが行われることはない。だが、Cisco は市場調査の目的で、特定のニーズや事例を持つ顧客に対して、限定的に Cius の提供を継続していく」
Cisco が Android タブレット市場から撤退することは、驚くべきことではない。
Cisco は個人向けデバイスの分野とは縁の薄い企業だ。昨年は、Flip という個人向けビデオカメラの販売からも撤退している。
ビジネス向けのタブレットという Cius のコンセプトは興味深いものではあった。だが、Cisco は Google Android の開発ペースに追いつくことができず、また iPad との競争にも敗れ、撤退に至った。
私は Cisco に関する記事を多く書いてきたし、相当な回数 Cisco のカンファレンスにも参加してきたのだが、実際に Cius を目にするチャンスはついに一度もなかった。Cisco はこの製品の販売に失敗したということだ。
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。