IBM、オランダの研究機関と電波望遠鏡用エクサスケール コンピュータ システムを共同研究
米国 IBM は2012年4月2日(現地時間)、オランダの電波天文学研究機関 ASTRON と、国際プロジェクト「Square Kilometre Array」(SKA)向けのエクサスケール コンピュータ システムを共同で研究する、と発表した。当初予算は32.9百万ユーロで、5年にわたり行う。ASTRON は主要科学パートナーの一員として SKA 開発に携わっている。
ASTRON と IBM の科学者は、オランダのドレンテに新設された「ASTRON & IBM Center for Exascale Technology」で共同研究を行う。
SKA は、世界最大の高感度電波望遠鏡を建設する国際的なコンソーシアム。2024年に完成予定の望遠鏡は、銀河の進化、暗黒物質、また130億年を超える昔にさかのぼる宇宙の起源に関する研究に使われる。この望遠鏡を運用するには、今日の最速コンピュータ数百万台に匹敵する処理能力が必要になる、と推測されている。
SKA のような次世代の大型科学機器には、既存の最先端技術をはるかに超える容量の高性能コンピューティング アーキテクチャとデータ転送通信リンク容量が必要。オランダとスイスにいる ASTRON と IBM の科学者は、「DOME」と名づけられた当初5年間の共同プロジェクトを立ち上げる。プロジェクト名の DOME は、望遠鏡の保護カバー、そしてスイスの有名な山の名前に由来しているそうだ。
DOME は、オランダ?ドレンテ州およびオランダ経済?農業?イノベーション省からの助成金で実現した。
DOME では、毎日集められる生データすべてを読み込み、蓄積、分析するのに必要な、大規模で効率的なエクサスケール コンピューティング、データ転送、ストレージのプロセス、ストリーミング アナリティックスに関する新たな技術を研究する。