ホウレンソウの筋肉話と地球全体の食生活ガイドライン
人間がチームで活動する時、協力関係を築く上で大切な要素が３つある。「報告」「連絡」「相談」――要するに、会社員の方々にはおそらくお馴染みであろう、「ホウ」「レン」「ソウ」のガイドラインである。私はこれに「合意」を付け足して、「ホウソウレンゴウ」というスローガンにしたい気もするが……それは、今回、どうでも良い話だ。
野菜の「ホウレンソウ」の話題である。スウェーデンのストックホルムのカロリンスカ研究所が、この度、米専門誌「生理学ジャーナル（Journal of Physiology）」にホウレンソウに関する新発見を発表したようだ。これによると、ホウレンソウには筋肉増強の効果が見られるという。
研究チームはマウスによる臨床実験を実施。ホウレンソウに含まれる「硝酸」の成分が、カルシウムの蓄積と放出に関与する2種類のタンパク質を増やし、これが結果として筋肉を強く収縮させていたという。
『ホウレンソウ』と言えば、1929年に製作されたアメリカンアニメ『ポパイ』を彷彿とする読者も多かろう。水兵ポパイは、ホウレンソウを食べ、お馴染みの音楽と共に筋肉がムッキムキになり、悪者をボーンと成敗してくれる。あの描写が、あながち間違いでもないという、スウェーデン研究チームの功績であった。
いや、もっとも、こうした話題には必ず注意が必要である。ホウレンソウは上記筋肉増強効果の他、ビタミンＡが豊富である事、葉酸や鉄分が豊富である事などのメリットがあるが、一方、食べすぎによる障害のデメリットもある。ホウレンソウに含まれる『シュウ酸』はある種の毒素。カルシウム吸収を阻害し、摂取量によっては結石を誘発させる危険性もある。
シュウ酸の摂取を極力防ぐ為には、ホウレンソウを茹でてシュウ酸を排出させ、一度水に流す必要がある。ホウレンソウを食べる際には、この手順を怠るべきではない。
食料の研究は、まだまだ発展途上。人口爆発が懸念される近未来には、栄養問題という課題が、我々の肩に、ますますの緊急性を帯びることとなる。何と何を食べれば、健康で、かつ、飽きずに日々を過ごすことが出来るか――その結論を、誰かが、出さねばならない。
世界国家レベルで、「365日の基本献立とそのレシピ」という、共通目録を作ってくれないだろうか。地球人の食事には、何かの、確固たる『原則』『指針』があっても良い。
【記事：G?JOEⅡ】
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