ニューメキシコ大学！火星のマントルには海ほどの水が
G?JOEⅡはかく語りき
「火星人が地球を侵略してるぅッ！」――1930年代、そんな衝撃のニュースが、アメリカ市民らの家庭に轟いた。これを実況放送という形でラジオで伝えたのは、当時脚本家として活動していたオーソン?ウェルズ。後の名俳優であり、映画監督の男である。アメリカ市民は一時、大パニックを引き起こした。
これは、ウェルズならではの斬新な演出であった。H?G?ウェルズ原作のSF小説『宇宙戦争』を、実況放送のニュース番組のように編成したのだ。つまり、単なるラジオドラマなのだが、それがあまりにリアリティに満ちていた為、アメリカ市民は「火星人が攻めて来たァッ」の大混乱に陥ってしまった。
SF物語に必ず登場する「火星」という惑星だが、そこには地球人の好奇心を促すだけの、科学的な要因もある。希薄ながら、火星の1日が地球の1日に非常に近い（24時間39分35.244秒）という点。生命維持に必要な元素が存在する可能性が高い点……などが、それである。
そして何より、「火星には水が存在する」という仮説もまた、火星移住や火星人生命体のSF話を盛り上げる科学的要因でもある。現在まで、この「火星の水」は確認が取れていなかったが、なんとこの度、その存在が明らかになったようだ。しかも、少量ではない。「海ほどの水」があるようだ。
ニューメキシコ大学の惑星科学者フランシス?マッカビン氏らが、「Geology」誌オンライン版に6月15日付けで発表した研究結果によると、火星地下のマントルには“海”と呼べるほど大量の水分が閉じ込められている事が明らかになったという。
研究チームは火星から飛来した隕石を分析した結果、これに含水鉱物が大量に混じっている事を把握。このデータを元に算出すると、火星マントルには70～300ppmの水分が含まれているｔのこと。その量たるや、火星全体を深さ200～1000メートルで覆うことのできる規模だというから、なんとも驚きだ。
火星では大規模な火山噴火がある度に、マントルに眠る水が地表に噴出していたのだと、研究チームは仮説する。その為、条件によっては「一時的に生命に適した領域が出現したのではないか」と、マッカビン氏は指摘している。
火星人はいたのだろうか？火星には生命体が存在したのだろうか？何か文明があったのだろうか？例の顔は（現在収集された火星の画像データの中に、顔の形のような岩がある）、誰かが、何かが、故意に彫ったものなのだろうか？
そのミステリーの解明に、そのロマンの到達に、人類は着実に、近づきつつあるのかもしれない。…