人前で陰部をポロリと見せる“露出男”や、自分の精液を女性にかける“ブッカケ男”など、今どき変態男のニュースは珍しくない。しかし、昨年6月に警視庁生活安全総務課などが逮捕した男は、かなり珍しい「性癖」を持っていた。
東京都東久留米市に住む無職の被告(56)は、路上で女児に声をかけてツバを出させ、それを動画に撮影。こうした行為を繰り返し、ついたニックネームは“ツバくれおじさん”。17年間で4000人以上に声をかけたとされ、地元では有名人だったという。
直接の逮捕容疑は'10年9月、マンション駐車場で当時10歳の女児に「ツバの研究をしているから、ツバをくれないか」と声をかけ、フィルムケースにツバを吐き出す様子をビデオカメラで撮影したという東京都迷惑防止条例違反(常習卑猥行為)容疑だった。
「被告の自宅からは、10歳前後の約200人にもおよぶ女児がツバを吐き出す動画が収められたテープや、フィルムケースが押収されています」(社会部記者)
人間の性癖は数あれど、唾液とそれを吐き出す動画集めで立件されたのは全国初。そんなツバくれおじさんに、3月27日、東京地裁立川支部で懲役10月、執行猶予4年という有罪判決が言い渡された。
「自治体にもよりますが、迷惑防止条例は、痴漢行為やダフ屋行為などに適用されるのが一般的です。今回の裁判では被告が容疑を認めていたものの、一連の行為が、東京都迷惑防止条例で禁止されている“卑猥な行為”に当たるかどうかが争われていました」(同)
裁判所は、被害女児が『いやらしいと思った』などと述べていることから、卑猥な行為に当たると判断。一方の弁護側は、「淫らな言動にはあたらない」と無罪を主張していたが、逮捕当時のツバくれおじさんはこんな供述をしていた。
「女の子を自分のものにしたかったが、連れて行けないので“分身”として唾液を持ち帰った」
動機がモロに『性的欲求を満たすため』で、犯行がエスカレートしそうな恐れもある。有罪は妥当だろう。