＜反米デモ＞イエメンで死者４人 治安部隊と衝突
【テヘラン鵜塚健】イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくしたとする米映画に抗議する反米デモはイエメンやエジプトで１３日夜も続き、イエメンの首都サヌアでは治安部隊とデモ隊の衝突による死者が４人に達し、３４人が負傷した。ＡＦＰ通信が伝えた。
中東の衛星放送アルジャジーラなどによると、サヌアの米大使館前では１３日、数百人のデモ隊が大使館への侵入を繰り返し試みた。これに対し、治安部隊が放水や催涙弾で鎮圧にあたり、死者や負傷者が増えた。
一方、エジプトの首都カイロでも警戒に当たる治安部隊に対して、反米を掲げるデモ隊が投石。双方の衝突で２２４人が負傷し、数十人のデモ参加者が拘束されたとみられる。
ＡＦＰ通信によると、レバノン北部トリポリでも約２００人が米国に抗議したほか、イラク中部ナジャフでは、反米強硬派の宗教指導者ムクタダ?サドル師を支持する市民ら数百人がデモを繰り広げた。
比較的政情が安定しているペルシャ湾岸のクウェートでも約２００人が米大使館前で反米デモに参加し、「神は偉大なり」などと叫んだ。抗議デモは少なくとも１１カ国?１地域に広がり、イスラム圏全体のうねりになりつつある。
１４日はイスラム各国のモスク（イスラム教礼拝所）で金曜礼拝があり、宗教意識が高揚した市民による反米デモがさらに拡大する恐れもある。
ＡＦＰ通信によると、リビア当局は１３日、駐リビア米大使ら４人が死亡した米領事館襲撃事件に関し、容疑者数人を逮捕した。